掲示伝道(11月no3)

「 心に思ふことかなはずとも、地獄の苦に比ぶべからず 」


ここに言う「心に思ふ」とは、心に抱く利己的欲望と見てよいのでしょうか。私たちは日頃自分を省みることなく得手勝手な欲望を心に抱きがちではないでしょうか。覬覦といいますか、心に抱いた願いに見合った精進努力もせずにその望みが成らぬと腹を立て、愚痴を言って心に苦悩を懐いてはいないでしょうか。

この世の思い通りにならない為の苦しみなど、貪欲瞋恚愚痴と云った悪業の報いで受ける地獄の苦しみは、筆舌に尽くせぬ苦しみが休む暇なく続くと聞かされています。この世の苦しみは地獄の苦しみに比べたら、苦しみとは云えない程のものなのでしょうか。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です