掲示伝道(9月no1)
「仏教でいわれる智慧というのは、頭がいいということではない。
事実を事実として生きていける力であり勇気なのです」宮城顗師
私たちが普段、学んだこと、経験したことから得るものを「知恵」といいます。しかし、仏教の「智慧」とは人間の持つ「知恵」とは違うのです。あらゆる物事をありのままに照らし出すはたらきが仏さまの「智慧」です。
私たちは知恵をつければつけるほど、頭が良くなればなるほど、正しく生きられると思っているのではないでしょうか。しかし、人間の知恵とは、逆に物事の真実、真理を見えなくさせているのではないでしょうか。一層私の眼を頑ななものとし、いつでも自分を正義に立てて生きているのが私たちです。自分のモノサシをより強固なものにして、自己中心的に、自己正当化して生きているのが私たちです。その自分の知恵、眼を疑うことすらせずに・・・。
そのような私たちに事実を事実として、ありのままに知らせるはたらきが仏さまの智慧です。その智慧のはたらきによって、私たちははじめて我が身の事実を知らされ、そのことで本当に我が身を引き受けて生きていくことができるのではないでしょうか。
そういった「事実を事実として生きていける力であり勇気」を賜って生きることが、念仏生活なのです。
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