掲示伝道(8月no2)
「豊かさとは、持っているものを喜ぶことにある」マルクス・アウレリウス
豊かさとは何でしょうか? 財産を人よりも多く持つことでしょうか? 便利な生活を送ることでしょうか? 私たちはそれらが大事なものだと思って貪っていますが、そうではないと古代ローマ帝国の第十六代皇帝で哲学者でもあったアウレリウスは言います。
本当の豊かさとは、すでにして与えられているものに気づき、喜び、感謝することなのでしょう。このことを仏教では「少欲知足」と教えます。貪りのこころからは、苦しみしか生まれません。事実、私たちの貪りのこころによって社会はより便利で物質的には豊かになったのかも知れませんが、それで私たちは生き生きと生きることができるようになったでしょうか。むしろ、人間関係は希薄になり、一層ギスギスして生きづらい世の中になってしまったのではないかとさえ思えます。
本当の豊かさとは、自己存在を知ることで初めて得られるものなのでしょう。どのような私であっても、尊いいのちであることに目覚めたとき、本当に豊かな世界が私に開けるのではないでしょうか。
そのような世界に目を開けと、南無阿弥陀仏は私たちに常にはたらきかけてくださっているのです。
0コメント