掲示伝道(1月no1)
「世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ」親鸞聖人
昨年は、元旦から能登半島地震が、更には七月に豪雨災害までが起き、多くの人のいのちが奪われ、今もなお復旧に目処が立っていない状況となっています。世界に目を向ければ、ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの争いが今もなお続いています。身近なところでも、毎日のように報道される悲しく凄惨な事件はあとを絶ちません。
私たちはこのような現状が繰り返されることに対して、苦しむ人々に対して思いを寄せることができているでしょうか。いつの間にか、ひとごととなり、無関心になっていないでしょうか。
平和を願わない人はいないのでしょう。しかし、その平和が我が身一人においてのことであるならば、その願いがいつの間にか争いや差別を生むことになるのではないでしょうか。
武田定光先生は、私たちが生きる世界は「一人一世界」であるとおっしゃいます。私とは無関係と思えるような出来事も、私一人の世界の出来事であり、無関係ではないということではないでしょうか。
私たちが抱く願いとは、まさに自己中心的な願いでしかあり得ないのかもしれませんが、そのような私たちに対して仏法は「世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ」との大いなる願いを私たちにはたらきかけてくださっているのです。そのはたらき、声こそが私たちが生きるいのちの本当の願いなのでしょう。
その願いに「南無阿弥陀仏」のお念仏をとおして出遇い、生きられた方こそが親鸞聖人なのです。その願いに生きるということは、私自身を本当に大切に生きることであり、縁ある他者を尊重し、共に歩むことではないでしょうか。
今年も皆さまと共に仏法聴聞をとおして、願いを確認しながら歩んでまいりたいと思います。
本年も何卒、よろしくお願いいたします。
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