掲示伝道(10月no3)
「 来てみれば 浮世なりけり よそながら
思ひしままの 山里もがな 」兼好法師詠
「生き馬の目を抜く」などといいますが、他と競争し、人を蹴落としてまで生き延びようとする娑婆世界を嫌い、人里離れた寒村に居を移してみても、所詮人間世界、浮世に変わりはないということでしょうか。
浮世は根無し草のような人生とも云えましょうか。世の流れに流されて生きる人生であるなら、虚しい人生と思われます。
甲府の惠林寺の山門に「安禅不必須山水(安禅は必ずしも山水を須(もと)めず)の文字が掲げられてあります。「安らかな境地で坐禅するのに、必ずしも静寂な山水でなければならないということはない」、つまりは人生の方向をしっかりと定めておれば、如何なる環境であろうと、迷うことはないとのみ教えと受け取れます。
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