掲示伝道(11月no1)
「 チューチューと 嘆き悲しむ声聞けば 猫の極楽 鼠の地獄 」古歌
童話詩人、金子みすゞの詩に「大漁」という詩があります。
朝焼小焼だ 大漁だ。
大羽鰮(おおばいわし)の大漁だ。
浜はまつりのようだけど
海のなかでは何万の
鰮(いわし)のとむらいするだろう。
「浜辺では漁師をはじめ、たくさんの人が鰯の大漁をよろこんでいるけれども、海の中では親兄弟、仲間を失った鰯たちが、どれほどの涙を流して悲しんでいるのだろう」との思いが込められた詩でありましょうか。
人間社会を見渡しても、競争社会で人と人とが争っておりますが、争いには必ず勝者があれば敗者があります。人間社会から競争意識というものを失くしようもないのであれば、せめて勝者は敗者の立場を深く慮る気持ちを忘れてはならないのではないでしょうか。
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