掲示伝道(9月no2)

「 〈 知足安分 〉足るを知って 自らの分限に安んじる 」


 人間である以上、上下の別なく何人も欠け目なく持ち合わせているとされる数しれぬ煩悩の根本煩悩に「貪欲」があげられます。これは貪る欲望、果てしない欲望を抱くことであります。狂歌に

  世の中は一つ叶えばまた二つ、 三つ四つ五つ六つかしの世や

というのがありますが、私たちは一つの望みが叶うと、それに満足することなく、その上を求め、その欲望は果てしなく尽きないと云ってもよいのではないでしょうか。そのことが抜き差しならない苦悩、苦痛を招く結果となるのではないでしょうか。

 私たちはあまり無理をせずに、今与えられてある境遇に満足し、それが吾が分限であると自覚し、それに安んじていく道こそ、肝要ではないでしょうか。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です