掲示伝道(9月no3)
「 浄土を疑う衆生をば 無眼人とぞなづけたる 」浄土和讃
人間は誰しも二つの眼をもっていると云われます。一つは外の色形を見る眼で、もう一つは心の眼、形なきものを見る眼です。此の肉眼と心眼が具わっているのが人間だというのです。しかし、心眼は眠っていて活動していないと言われます。心眼は真実を見る眼とされます。肉眼は差別無常の世界しか見られません。心眼が用いてはじめて、此の娑婆世界が虚仮不実の穢土の世界であることに覚めることができるのでしょう。
人間世界が虚仮不実の穢土の世界と自覚されたとき、絶対無限なる真実浄土の世界が慥かに自覚されてくるのではないでしょうか。ここに示された「無眼人」とは、心の眼を指しているものと思われます。
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