掲示伝道(8月no3)
「 仏心は地水火風 虚空に同じて分別なし 」『浄土論』願生偈
親鸞聖人が念仏の御教を慥かに相承してくだされた祖師として七人の高僧を定めておられます。その七高僧の第二番目の天親菩薩が撰述された『浄土論』のはじめにある「願生偈」のなかに、此の御文が示されてありますが、み仏のお慈悲は大地が軽重等の差別なく、凡てを荷負う如く、また水が毒草薬草等の区別なく潤す如く、火は燃えるものの差別なく焼く如く、風が分別なく吹き付けるように、一切衆生に善悪浄穢等の如何なる差別があろうとも、決して差別することなく一味平等におはたらきくださり、お救いくださるということでありましょう。
「嫌いなお方の親切よりも、好きなお方の無理がいい」などと云いますが、私たち凡人の日常は穢れた煩悩に左右され、あらゆる対象を差別して自ら苦しんでいる日常ではないでしょうか。み仏の一味平等のお慈悲を思うとき、差別動乱の人界から一歩も出られない我が身を懺悔せずにはいられません。
0コメント