掲示伝道(8月no2)

「 葎(むぐら)からあんな小蝶が生まれけり 」小林一茶詠


 仏教では、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来、釈迦如来等々、多くの如来さまが説かれてありますが、仏さまはみな蓮台とか蓮座と称される蓮華を形取った台座におられます。「泥中の蓮」と云いますが、蓮は汚泥のなかで成長し汚泥に染まることなく見事な美しい華を咲かせます。仏は五濁悪世の娑婆世界に於いて、煩悩具足の凡夫を穢土の世界にありながら浄土の世界に導いてくださることから、仏法を「蓮華の台座」に象徴されるのでありましょう。

 一茶翁が此の娑婆世界で仏に成られたという思いがおありだったか分かりませんが、穢れた藪のなかから美しい小蝶が生まれ出ることに感嘆し、何か深い悦びを懐かれたのではないでしょうか。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です