掲示伝道(4月no2)

「 聞く耳をもち 物事を話し合いで解決するのが人間 」


 私たちは人の話を聞く時、何ら計らいなく素直に聞くことはなかなか難しいことです。十人十色と申しますが、人の話を十人の人が同時に聞いたとしても厳密には十人それぞれ違った受け取り方をしているものです。何故なのでしょうか。

 仏教に「六窓一猿(ろくそういちえん)」という教えがあります。六つの窓から一匹の猿が覗き見ているということですが、例えば眼や耳を通して知った対象の是非善悪を猿(自我)が判断しているということでしょうか。つまり、自我に染まった尺度で物事の是非善悪を言い合ったら、世の中は混乱するばかりです。私たちが皆、我執を用かせずに六根を活用することができれば、此の人間社会はどれほど住みよい社会になるか、兎角人間社会は話の通じる社会でなければと願われてなりません。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です