掲示伝道(11月no2)

「 生き物はみな 命が最も大事 

     その命を数多奪って生きている この私 」


「生」に執着のない生物はない。その「いのち」を数多奪って生きているこの私。世に「命あって物種」とか、「命が宝の宝」などと申します。これは命が一番大事なものということでしょうが、「いのち」が一番大事だとするのは、人間に限ったことではないでしょう。あらゆる生物は危険を察知すると、「いのち」を守るためにいろいろな行動に出るところを見ると、生きとし生けるものはみな、自分の命が尤もだからでありましょう。

そのような大事な命を数多奪って生きている私であることを思うと、その報いは考えるだけでも空恐ろしいことであります。動物に限らず野菜にも「いのち」があるとなれば、他の命を奪わずには一日も生きられぬ私である。このような私にできることは、申し訳なくも今愚生に与えられし数多の命を感謝し、心から合掌し有難く戴かせていただくばかりであります。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です