掲示伝道(9月no3)

「 念仏は五濁悪世の目足なり 」 


『阿弥陀経』の中に「娑婆國土 五濁惡世、劫濁 見濁 煩惱濁 衆生濁 命濁の中に於て」とあります。つまり、私たちの住むこの現実世界は濁悪に満ちた世界と説かれてあります。しかし、私たちから云わせてもらえば、そのような濁悪な面もあるが清廉で美事な相も多々あるのではと思いますが、親鸞聖人は「修善も雑毒なるゆえに虚仮の行とぞなづけたる」と仰せられてあります。表面上、美事な行為も一滴の濁りもないかと云われれば、そうもいえないように思われます。如何なる御馳走でも、そこに一滴の毒が混じっていたら、食することができない如くでしょう。人間として如何に歩んだらよいか惑う濁世の世に、慥かな方向を示して下されてあるのが念仏であります。親鸞聖人は「念仏は則ち是れ南無阿弥陀仏なり。能く衆生一切の無明を破し、能く衆生の一切の志願を満す」とお示し下されてあります。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です