掲示伝道(9月no1)

「 来てみれば 杜には杜のあつさかな 」 


 私たちは日常いろいろな願望を懐いて生きておりますが、例えば会社勤めをされている方で、できれば私も重役や社長になりたいものだと思ったりされる人は、社長や重役の地位が大変羨ましく見えるのでしょう。また、沢山の財産を得たいと考えている人は、大邸宅に住む資産家を見れば思い通りの楽しい生活を送っているのだろうなどと思いがちですが、実際のところは社長や重役、また資産家の人たちも私たちには分からない重く深い苦悩を抱えて生きているのかもしれません。

 古歌に

  見ればただ 何の苦もなき水鳥の 脚に暇なきわが思ひかな

とあります。外見には大変羨ましいような恵まれた環境に居る人でも、多くの悲苦を抱え、耐えながら生きているのが実際ではないでしょうか。他人を羨んで生きることほど愚かしいことはないように思われます。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です