掲示伝道(5月no3)
「 今朝もまた 覚めて目が見え手が動く ああ、有難や この身このまま 」
この歌の詠人は、京都大学第十六代総長で、脳解剖学の泰斗であられたとお聞きしております。また、科学者であるとともに浄土真宗のみ教えに深く帰依されておられたともお聞きしておりますが、脳解剖学の医師であられたということで、あらゆる面に深い感性をお持ちだったのでしょう。凡愚な私などは、眠れるのも目が覚めるのも、また目が見えるのも手足が動くのも当たり前のように思っておりますが、人間の身体のはたらきを研究されている科学者のお眼には、凡て奇蹟のようなことと思われるのでしょう。ですから、朝、目が覚め、目が見え、手が動くそのこと自体がただただ有難いことと、念仏者であられたということですから、み仏に向かって合掌されるお相が目にうかぶではありませんか。
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