掲示伝道(11月no2)
「 何事のおはしますかはしらねども かたじけなさに涙こぼるる 」
この短歌は西行法師が伊勢神宮を参拝された折に詠まれたとのことでありますが、長い歴史とともに数多の方々が参拝された聖域というものは、その場に佇むと自ら手が合わさり、頭が下がるものであります。
名刹ではなくても、何百年と歴史のあるお寺へお参りさせて戴くと、幾千万の人々が参拝されてこられたその業が染み込んでいるのでしょうか、自然と掌が合わさり目頭の熱くなる思いが致します。全国の観光化した名刹は、多くの観光客が訪れていますが、美術品でも眺めるように仏さまを見つめるだけで、手を合わせることを知らぬが如くです。このような情況が続くと、長い歴史とともに培われてきた徳も徐々に失われていくのではと歎くのは私一人でしょうか。
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