掲示伝道(9月no2)
「 糞中の穢虫 居を争いて 外の清さを知らず 」
人間社会はあらゆるジャンルで、勝つか負けるかの争いを繰り広げているように思われます。政治をはじめ、経済、スポーツ、なおまた教育界でも。驚くことに宗教を名告る世界でも争いは尽きないようです。
争いの渦中にある者には、その争いの場しか目に入らないのでしょうか。人間には汚物でしかないものでも、そこには住む蛆虫には汚物の世界がすべてなのでしょうか。
人間社会の争いの場も、仏さまの目からは汚物のなかで争う蛆の如く見えるのかもしれません。仏さまは『大無量寿経』のなかで「世人、薄俗にして共に不急の事を諍う」、拙訳すれば、「世の人々は真実に覚めないために、愚劣な争いを続けている」と仰せられています。
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