掲示伝道(1月no1)

「正月は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」一休禅師


 新年、明けましておめでとうございます。

 新年早々、何という法語を・・・と思われた方もいらっしゃるかもしれません。このお言葉はトンチで有名な一休禅師のお言葉です。

 一休禅師は正月にしゃれこうべを持って街中を歩かれたという逸話があります。昔は、数え年で年齢を数えましたので、誰しもが正月を迎えて一つ歳を取ったのです。ですから、新年を迎えるとは、家族や友人など近しい人たちと誕生を祝うときでもあったのでしょう。

 それに対して、一休禅師は歳を取るとは死に近づくことでもあると、めでたいだけではない、この世の無常さを正月に説いたのです。

 釈尊は諸行無常の覚りを開かれましたが、その真理を引き受けられないからこそ、この世は一切皆苦、すべて苦しみになると説かれました。私たちが時間をあっという間に過ごしてしまうのも、まさに諸行無常の身であることを見失っているからではないでしょうか。

 眼の前のことに追われ、必死に前ばかりを見て生きざるを得ない私たちですから、それも致し方ないのかもしれません。しかし、そういう私たちだからこそ、仏事などの仏法聴聞の場が与えられ、我が身の事実を教えていただく場が与えられているのです。一休禅師も、誰もがめでたいと祝う区切りの正月だからこそ、大事なことを伝えたかったのでしょう。

 今年も法要や同朋会の場を通して、皆様方と仏法聴聞させていただきたいと思っております。

 本年も何卒よろしくお願いいたします。

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です