掲示伝道(9月no2)
「わたしが仏教を学ぶのではなく、仏教にわたしを学ぶのです」信国淳師
私たちが「学ぶ」といったとき、それは知識を蓄え、自我を拡大することだと思っています。確かに知識や経験を蓄えることは、社会を生きていくうえで大切なことです。しかし、仏教とはそういうものではありません。
ある仏教学講座に参加したときのことです。参加者の一人が「先生のおっしゃることは大層立派なことだけれど、それでは社会は生きていけない」とおっしゃいました。その問いに対してその講座の講師を務めてくださっていた先生は「それは、あなたが仏教をお飾りにしているからではありませんか」とおっしゃいました。ドキッとさせられました。仏教とはそのような自分を飾りあげるような知識ではないのです。知識によって自我拡大をし、いよいよ自分を立てていく道具ではないのです。むしろ、そのような私の相を教えていただくのでしょう。
仏教とは学問ではなく、「あなたはどう生きるのか?」と私に問い続ける教えであり、その問いに応える歩みが仏道なのだと教えられます。そのような宗となる教えを大事にしなければならないのでしょう。
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