掲示伝道(7月no2)
「 欲しいものではなく 自分自身を手に入れなさい 」ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ
私たちが生きる苦しみの世界を仏教では地獄・餓鬼・畜生の三悪道として教えます。そのなかでも餓鬼道は、貪りの心が尽きない苦しみの世界です。
それに対して、『仏説無量寿経』では、仏教徒の生活規範の一つとして「少欲知足」が教えられます。あれもこれも、欲しい!と執着するのではなく、そのような欲を少なくし、足るを知るということです。
しかし、私たちの欲というものは尽きることがありません。「あれがあれば幸せなのに」と思って求めても、それが手に入れれば、次はこれといったように、次から次へと、満足することなく貪り求めるのが私たちです。
しかし、そうではなく、私たちにとって本当に大切なことは、〈ほんとう〉の我が身を教えより知らされること、我が身を手に入れるではないでしょうか。私たちは人と比べて、常に優越感や劣等感に苛まれますが、〈ほんとう〉の我が身を教えられてみれば、何も不足のない、自体満足の世界をいただくことになるのではないでしょうか。そのことによって、どのような私であっても、これが私ですと言って生きていける広い世界をたまわるのではないでしょうか。
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