掲示伝道(6月no1)
「 地獄を嫌う心が 実は地獄を造っていたのです 」安田理深師
「地獄を嫌う心」というものは、誰もが持っている心ではないでしょうか。しかし、その心はどこから出てくるのでしょう。それは、自我意識です。自らの持つ悩み苦しみ、迷いから離れたい、より楽の多い生活が送りたい。そのように思って私たちは地獄を、悩み苦しみを嫌い、遠ざけようとするのでしょう。
しかし、それは自分の都合を叶えようとしているだけで、むしろその心こそが、地獄を生み出しているのです。なぜなら、私たちの存在とは業縁存在だからです。無量無数のご縁によって、この私が存在するのです。ですから、自分の思い通りになることなど何もないのです。にも関わらず、何でも自分の思い通りにしようとして苦しむ世界が、まさに地獄なのです。
大事なことは、地獄とは誰が、そしてどのような心で生み出している世界なのか、その因を仏法にたずねる以外にはありません。ですから、真面目に自らの苦悩に向き合おとするのであれば、自我に立っていよいよ自らの思いを振りかざして生きるのか、それとも仏法より我が身を知らされて生きるのかが私たちに求められているのです。
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