掲示伝道(1月no1)

「 毎朝元旦 一日一期 」


 前住職に引き続き、元旦はこの言葉を掲げさせていただきました。

「一年の計は元旦にあり」と言われますとおり、毎年「今年は丁寧に過ごそう」と心新たに新年を迎えるのですが、気付けば目の前のことに追われ、あっという間に時を過ごしてしまいます。

 念仏詩人と言われた木村無相師は次のような詩を詠まれています。


  元旦や 今日のいのちに 遇う不思議


私は、生かされていることを当たり前のように思い、日々過ごしてしまっているのでしょう。しかし、〈いま・ここ・私〉のいのちとは、実に無量無数の縁によって生かされているいのちであり、一瞬一瞬有限の尊いいのちを賜って生きているのです。

 その事実をしっかりといただけていないからこそ、あっという間に時を過ごしてしまうのではないでしょうか。とはいえ、そのようにしか生きることができないのが凡夫としての私の存在です。そのような私だからこそ、〈南無阿弥陀仏〉のお念仏が私に届けられ、「〈ほんとう〉の自分に目覚めよ」と呼びかけてくださっているのでしょう。

 今年も皆さまと共に聴聞してまいりたいと思っております。本年もよろしくお願いいたします。

南無阿弥陀仏

癸卯元旦 釋宣明

真宗大谷派 霊苔山 金相寺

親鸞聖人の「南無阿弥陀仏」のみ教えを共に聞法するお寺です