掲示伝道(7月no3)
「 底浅き小川は音を立てて流れ
満水の大河はおのずから静かなり 」経集
十人十色と申しますが、姿形がみな違うように、人格も人それぞれであります。此の箴言は、人それぞれの人格を河川に譬えたものと思われますが、しかし、酷暑の折、小川のせせらぎは涼蔭の趣があり、安らぎを感じることができますが、ここでは人格の浅い人間にたとえられておるようであります。
何事も一大事の如く騒ぎ立てるのは困りものです。兼好法師は『徒然草』のなかで、賤しげなるものとして、
人にあひて詞(ことば)の多き
と戒められておるようであります。立派な指導者はあまり細かく指導することなく、大事な要点のみを的確に指導されるのではないでしょうか。大人格者と表されるほどの人は、言葉は要らない。ただそこに居られるだけで立派に人を導くものだと思われます。
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