掲示伝道(12月no2)
「 世に賢者ぶる人は多いが 愚者の自覚に生きる人は稀だ 」
愚かなる身こそなかなかうれしけれ
弥陀の誓ひにあふとおもへば
この歌は良寛さまが詠まれた歌ですが、良寛さまはよく「外貌は蠢愚にして内心は明哲なり」と評される如く、幼児と手毬をしたり隠れん坊をしたりと外目には愚人のようですが、実際の良寛さまは大変な教養を秘めた稀なる高僧であられたとのこと。しかし、ご自身は大愚と号した如く、愚かなる身と自覚されておられたということでしょうか。
阿弥陀仏の誓願は『歎異抄』第一条に
罪悪深重煩悩熾盛の衆生をたすけんがための願にてまします
と示されてある如く、愚痴で罪深い者こそ救わずにはおかぬという阿弥陀のご誓願なら、私は漏れなくお救いの対象だと喜ばれてお詠みになられたお歌でしょうか。
賢者や智者、善人振る人は、み仏のお救いから漏れ外れてしまうのではとあやぶまれることであります。
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