掲示伝道(9月no2)
「 本当に自分を知るには やはり人という鏡がなくてはならない」高光大船
「人の振り見て我が振り直せ」ということわざがありますが、私たちは縁ある他者を通して、我が身の在り方を教えられるということがあるのでしょう。
そうであるにもかかわらず、日頃の私はどうなっているのかというと、「自分のことは自分が一番よくわかっている」かのように思い、我が身を振り返ることもなく、他者批判や他責にばかりして、不平不満ばかり言っているのが私ではないでしょうか。
仏法も「経教はこれを喩うるに鏡のごとし」と善導大師がおっしゃるとおり、教えによってありのままの我が身を教えられることが、大事なことです。しかし、その仏法ですら、我が思いで受け取ってしまうのが私なのです。我が思い、妄念妄執を破ることは容易なことではありません。
ですから、大事なことは、あらゆる存在と関係性を持ちながら生きる生活のただ中でこそ、仏法聴聞し、他者との交わりを通して、我が身を教えられていくことこそが大事なことなのではないでしょうか。そこにしか〈ほんとう〉の我が身はないのです。
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