掲示伝道(7月no2)
「 浄土をうたがう衆生をば 無眼人とぞなづけたる 」
身心一如と申します。心を離れて身もなく、身を離れて心もないということですが、身についた眼や耳を肉眼肉耳というのに対して、心眼心耳と云い、これは智慧を通して見聞する用(はたら)きを云います。
此処に示された「浄土」とは、人間世界を穢土というのに対して、仏の世界、真実の世界を意味します。肉眼で見えるかたちある世界は、虚仮不実の世界で、真実浄土の世界は智慧の眼、心眼が開かなければ感知できないのです。
此処に掲げた御和讃は人間として一番大事な真実の世界を見知する智慧の眼が開いていない為に、真実の浄土の世界を疑い信じない迷妄の衆生を悲しまれての御和讃でありましょう。
恐ろしいのは肉眼で見える世界にとらわれ、虚仮不実の世界を真実の世界とし、真実の仏の世界を虚仮の世界と顛倒し、真に救われる道が閉ざされてしまうことです。
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